MENU

中古のEクラス(W213)はエアサス付きでも大丈夫?見分け方・寿命・買う前のチェック

メルセデス・ベンツ Eクラス(W213、2020年マイナーチェンジ後)AMGライン仕様

※本記事にはプロモーションが含まれます

現行のW214が出て、先代Eクラス(W213)の中古が手頃になってきた。初めてEクラスに乗ってみたいけれど、「エアサス付きは壊れるらしい」という話を見て手が止まっている。「どのグレードがエアサス付きなのか」「中古で買ってもリコール対応は受けられるのか」がよく分からず、検索しても断片的な情報しか出てこない。そんな人に向けて書いています。

結論から言うと、エアサス付きのW213で迷ったときに確認すべきことは3つに絞れます。「保証」「リコール対応歴」「交換費用」です。この3つを先に確かめれば、エアサス付きかどうかは判断材料の一つとして、自分の条件に合わせて検討できるようになります。

筆者は国内自動車メーカーで車づくりに携わっており、BMW G60 523d xDriveに乗っています。実はG60を買うとき、W213の中古も候補に入れて比較しました。最終的にW213は選びませんでしたが、その理由はエアサスへの不安だけではありません。6章で、迷った一人としての判断の流れを書いています。

目次

1. 結論:エアサス付きのW213は「保証」「リコール」「交換費用」を見て決める

エアサス付きのW213を検討しているなら、現車を見る前にこの3つを確認してください。

  • 保証:メルセデス認定中古車の保証が付くか。保証期間中にエアサスが壊れれば、修理費は保証でカバーされます
  • リコール対応歴:W213の一部はエアサス関連のリコール(外-3531)対象です。対応済みかどうかを販売店に確認してください
  • 交換費用の目安:保証が切れたあとに壊れた場合、専門店でリアのエアスプリング1本が約8万〜12万円、コンプレッサー交換が約6万〜18万円(W205の例)。ディーラーでは1本20万円以上が目安です(詳しくは4章)

この3つを確認しておけば、エアサス付きかどうかは判断材料の一つとして冷静に比べられます。逆に言えば、どれも確認できないまま保証なしで買うのは、エアサス以外の部分でもリスクが高い買い方です。エアサスは壊れたときに金額が目立つ装備というだけで、Eクラス全体の信頼性を測る指標ではありません。

2. W213のどのグレードがエアサス付き?【装備の一覧】

W213は2016年7月に日本導入、2020年9月にマイナーチェンジ(後期型)、2024年前後にW214へ切り替わりました。エアサスが標準かオプションかは、前期と後期、グレードによって大きく変わります。

時期 ボディ グレード エアサスの扱い
前期(2016年7月〜) セダン E200アバンギャルド/E200 4MATICアバンギャルド/E220dアバンギャルド/E200・E220d・E250アバンギャルドスポーツ 標準はAGILITY CONTROL(スチールサス)。エアサスの設定自体なし
前期(2016年7月〜) セダン E400 4MATICエクスクルーシブ AIR BODY CONTROL(エアサス)標準
全期間(2017年9月〜) オールテレイン E220d 4MATIC All-Terrain AIR BODY CONTROL(エアサス)標準

この表で見るべきは、セダンでは前期の最上級グレード(E400 4MATICエクスクルーシブ)以外は、前期型の時点でエアサスが標準にもオプションにもなっていないことです。「E200だから大丈夫」「E220dだから大丈夫」とは言い切れず、年式とグレード名の組み合わせで見る必要があります。後期セダンのE200・E220d系、ステーションワゴンの通常グレード(オールテレイン以外)、AMGグレード(E43/E53/E63)については、標準・オプションの区分を年式別に裏付ける一次資料が十分にそろっていないため、この表には載せていません。これらのグレードを検討する場合は、次章の方法で現車・車検証から直接確認してください。

名称について補足すると、メルセデス・ベンツの資料では同じ機構が「AIR BODY CONTROL」と「AIRMATIC」の両方の名前で呼ばれています。前期の装備表では「AIR BODY CONTROL」、後期の資料では「AIRMATIC」という表記が使われており、中古車の商品情報でもどちらの表記も見かけます。中古車を探すときは、どちらの名前でも同じエアサス機構を指していると考えて問題ありません。

価格面でも補足しておくと、エアサス標準のE400 4MATICエクスクルーシブは新車価格の時点で上位グレードに位置しており、中古相場でもE200・E220d系より高めに出る傾向があります。つまりエアサス付きを選ぶことは、単にリスクを引き継ぐだけでなく、内装や足回りのグレードそのものが上がることとセットになっています。予算が合うなら、グレードの高さと装備内容のバランスで考えるのが実態に近い選び方です。

オールテレインを検討している場合は、ボディ特性も合わせて考えてください。オールテレインは最低地上高を高めた悪路対応モデルで、エアサスはこの車高調整機能と一体の設計です。つまりオールテレインでは「エアサスを避ける」という選択肢自体がなく、オールテレインを選ぶこと=エアサス付きを選ぶことになります。悪路走行の機会がほとんどないなら、同じ予算帯のステーションワゴンやセダンも合わせて検討する価値があります。

3. 買う前にエアサス付きかを見分ける方法

グレード名だけで判断がつかない場合は、次の方法で確認できます。

  • 車検証で確認:型式・グレード名を正規ディーラーに伝えれば、その個体がエアサス付きかどうかを照会してもらえます。最も確実な方法です
  • 販売店に直接聞く:中古車販売店の商品情報には「AIR BODY CONTROLサスペンション」「AIRMATICサスペンション」の装備記載があるのが一般的です。記載がなければ販売店に確認してください
  • 車内の表示で確認:エアサス車は、車高調整に関するメニューがCOMAND/MBUXのディスプレイ内に表示されます。対応するメニューが見当たらない場合は、スチールサスの可能性が高いです
  • センターコンソールのスイッチで確認:エアサス車には、車高を一時的に上げ下げするためのスイッチがセンターコンソール付近に備わっていることが多く、試乗時に探してみる価値があります
  • 試乗時の乗り味で確認:段差や荷物の重さに対する姿勢変化は、エアサスとスチールサスで感触が異なります。確実な判別方法ではありませんが、他の方法と併せて参考にはなります

この方法で見るべきは、グレード名だけで決めつけず、必ず個体ごとに確認することです。同じグレード名でも、販売国やオプション装着で構成が異なる個体が混在している可能性があります。契約前に現車でどれか1つでも確認できれば、グレード名だけに頼るより確実です。

4. エアサスの寿命と交換費用(買う前に見込んでおく額)

エアサスの寿命は、公式に明言された目安がなく、情報源によって幅があります。統一的な年数・距離を断定するより、「壊れたらどのくらいかかるか」を先に知っておく方が実用的です。

交換費用は、W205 Cクラスを例にした専門店の目安で、リアのエアスプリング1本が約8万〜12万円、コンプレッサー交換が約6万〜18万円です。W213は、社外品でもW205より部品代が高めになる、という整備工場もあります。ディーラーでは、エアサス1本で20万円以上かかるのが目安です。段階ごとの費用と、症状からどこが壊れているかの見当のつけ方は、ベンツのエアサス故障の記事に書いています。

ベンツのエアサス交換費用はいくら?故障の前兆・寿命とW205など型式別の注意点

この年式のW213なら、あと何年で交換時期が来そうか——という考え方はできません。前述のとおり寿命の目安自体が定まっていないためです。代わりに、2章の装備表で「エアサス付きかどうか」、5章で「リコール対応済みかどうか」「保証が残っているかどうか」を先に確認し、壊れたときの出費に備える方が現実的です。年式の新しさよりも、対応履歴と保証の有無の方が、実際の出費リスクを左右します。

ここで覚えておきたいのは、交換費用の2大項目(エアベローズとコンプレッサー)のうち、コンプレッサーの不良は次章のリコール外-3531と同じ故障モードだという点です。対象の車台番号で未対応のまま乗っている場合、コンプレッサー側の交換はリコール対応として無償で済むことになります。つまり、4章で見た交換費用の目安は「リコール対応が済んでいる、または対象外の車両」を前提にした数字で、対象のまま放置されている車両なら実質的な負担はさらに下がる可能性があります。

5. リコールと保証を先に確認する

修理より先に確認すべきことが2つあります。無償修理の対象かどうかと、保証が残っているかどうかです。

エアサスのエアコンプレッサーには、国土交通省にリコール外-3531が届出されています。コンプレッサー内部の減圧バルブの材質が不適切で、使用期間中に錆が発生して作動不良を起こすことがある内容です。そのため警告灯の点灯とともに車高調整ができなくなり、最悪の場合は走行中に車高が低下するおそれがあるとされています。対象は輸入期間平成26年4月18日〜平成30年3月22日(2014年4月18日〜2018年3月22日)の車両で、Cクラス・Eクラス・GLCなど29車種、合計21,626台。E220dステーションワゴンやE400 4MATIC、E400 4MATICステーションワゴンなど、W213前期の一部モデルも対象に含まれています。

ここで知っておきたいのは、リコールは車台番号(VIN)に対して適用されるという点です。新車で買った人だけの制度ではなく、何代目のオーナーであっても、対象の車台番号であれば無償修理を受けられます。中古で買ってからでもリコール検索で確認し、未対応であれば正規ディーラーに連絡すれば対応してもらえます。

外-3531の対象車種のうち、W213(Eクラス)系列に該当するのは次の通りです。いずれも輸入期間が平成26年4月〜平成30年3月の範囲に収まる個体に限られます。

  • E200ステーションワゴン/E200 4MATICステーションワゴン
  • E220dステーションワゴン
  • E250ステーションワゴン
  • E350e(セダン)
  • E400 4MATIC(セダン)/E400 4MATICステーションワゴン
  • E400 4MATICクーペ
  • メルセデスAMG E43 4MATIC(セダン/ステーションワゴン)
  • メルセデスAMG E63・E63S 4MATIC+(セダン)

この一覧で見るべきは、前期型の早い時期(2016〜2018年頃)に輸入された個体が中心だということです。後期型(2020年9月以降)はこのリコールの対象期間に入っていません。検討している個体の輸入時期がこの範囲に近い場合は、販売店に外-3531の対応状況を具体的に聞いてみてください。

知っておくべきリコール
外-3531(2022年12月13日届出):エアコンプレッサーの減圧バルブ材質不良。対象なら無償修理です。自分の車が対象かどうかは、メルセデス・ベンツ公式のリコール検索で車台番号を入れて確認してください。

メルセデス・ベンツ公式リコール検索はこちら

保証については、メルセデス認定中古車プログラムの内容が2024年に拡充されました。それまでは、車両の年式や走行距離に応じて保証期間が1年または2年に分かれていましたが、拡充後は新車登録から10年未満の車両はすべて、走行距離無制限で2年間保証に統一されています。W213は年式によって、この拡充前・拡充後どちらの基準で保証が付いているかが変わるため、購入時にどちらの保証内容かを確認しておくと安心です。

さらに保証を延ばしたい場合は、新車登録日から5年間または走行距離100,000kmのいずれか先に達するまでをカバーする有償の「認定中古車保証プラス」もあります。エアサス付きのW213を検討するなら、この保証が付く販売店で買うことを強くおすすめします。保証がある状態で壊れれば出費は実質ゼロに近く、保証がない状態で壊れれば4章の修理費がそのまま自己負担になる、という違いだけだからです。

6. 迷った人の判断の流れ(筆者がW213を見送った理由)

これは筆者一人の判断であり、「エアサス付きはやめておけ」という話ではありません。保証・予算・使い方の条件が違えば、判断も変わります。あくまで、同じように迷っている人が自分の条件に置き換えるための一例として読んでください。

G60を買うときにW213の中古を候補に入れて比較し、最終的に選ばなかった理由は4つありました。

1つ目は、エアサスへの不安です。壊れたときの出費が読みにくい装備を、中古で引き継ぐことに抵抗がありました。

2つ目は、後期の直6モデル(E450 4MATICエクスクルーシブなど)に手が届くならと思いましたが、玉数自体が少なく、条件に合う個体を見つけにくかったことです。なお、W213後期の直6はガソリンのE450 4MATICエクスクルーシブのみで、直6のディーゼルグレードは日本には導入されていません。

3つ目は、保証の効かない販売店からは買いたくなかったことです。認定中古車や保証付きの個体に条件を絞ったところ、それでも予算より高くなりました。

4つ目は、2Lディーゼルで妥協するなら、正直CクラスのW206でいいと思ったことです(室内は狭くなりますが)。

この4つのうち、1つ目(エアサスへの不安)だけなら、5章で挙げた保証・リコール対応の確認で解消できる人も多いはずです。2つ目・3つ目は予算と玉数の問題で、エアサスとは別の話です。自分の条件がどれに近いかで、判断は変わってきます。

7. 中古で買うときのチェックリスト

  • 現車確認:朝の車高 平坦な場所に一晩置いた翌朝、車高が左右で傾いていないかを確認する。片側だけ下がっていればエアベローズの劣化が疑われます
  • 現車確認:警告表示 試乗時にエアサス関連の警告灯が出ていないか確認する。試乗の短い時間では出ないこともあるため、販売店にも直接確認してください
  • 現車確認:整備記録簿 エアサス関連(エアベローズ・コンプレッサー)の交換歴があれば、交換後の経過年数も確認する。交換済みなら、その時点から寿命がリセットされていると考えられます
  • 書類確認:リコール対応歴 外-3531をはじめ、対象リコールへの対応が完了しているか。未対応なら購入後すぐに無償対応してもらえます
  • 書類確認:保証の残り 認定中古車保証が付くか、残り期間・距離はどのくらいか。保証の有無で、壊れたときの出費がゼロか数十万円かが変わります

乗り換え候補を探しながら、今乗っている車の価値も先に把握しておくと、予算の組み方が変わります。

乗り換えるなら、今の車の査定額を先に知っておくと予算が組みやすくなります。査定は無料で、そのまま売る必要はありません。
最短29秒!輸入車の本当の価値、今すぐオンライン査定 輸入車買取センター

よくある質問

エアサスなしのW213は乗り心地が悪い?

標準のAGILITY CONTROL(スチールサス)でも、Eクラスとして十分な快適性があるという評価が一般的です。「エアサスでなければ乗り心地が悪い」というわけではありません。

エアサスをコイルサスに変換できる?

コイルオーバーキットへの変換自体は可能ですが、費用や乗り心地への影響を含めた詳細は、故障側の記事で扱っています。

ベンツのエアサス交換費用はいくら?故障の前兆・寿命とW205など型式別の注意点

後期にディーゼルの直6グレードはある?

日本には導入されていません。W213後期の直6は、ガソリンのE450 4MATICエクスクルーシブ(3.0L直6ターボ+ISG)のみです。

AMG(E43・E53・E63)はエアサス標準?

AMGグレード専用のアダプティブサスペンションが搭載されていることは各種販売店情報から読み取れますが、それが2章の表で扱っているエアサス(AIR BODY CONTROL/AIRMATIC)と同一の仕組みかどうかを示す一次資料は乏しく、断定はできません。AMGグレードを検討する場合は、3章の方法で個体ごとに確認してください。

整備記録簿にエアサス関連の記載がない個体は避けるべき?

記載がないこと自体は、まだ不具合が出ていない個体とも解釈できるため、即座に避ける理由にはなりません。重要なのは、7章のチェックリストにある朝の車高確認とリコール対応歴の2つです。記録簿の有無よりも、この2点が確認できるかどうかを優先してください。

W213とW214、中古で買うならどっち?

予算が合うならW214の方が年式は新しく、保証も厚く残っている可能性が高いです。ただしW214はまだ中古相場が高く、玉数も少ないため、予算重視ならW213が現実的な選択肢になります。W214の後席の設計思想については、別記事で比較しています。

メルセデスEクラス(W214)とBMW G60、後席設計思想の違い

まとめ

  • エアサス付きのW213は「保証」「リコール対応歴」「交換費用」の3つを先に確認すれば、エアサスの有無だけで決めずに比べられる
  • エアサスの標準・オプションはグレードと年式(前期・後期)で大きく変わる。グレード名だけで判断しない
  • リコール外-3531の対応歴は、メルセデス・ベンツ公式のリコール検索で車台番号から確認する。対応は車台番号基準なので中古で買ってからでも受けられる
  • 保証が付く販売店(認定中古車など)で買うと、壊れたときの出費リスクを大きく減らせる
  • 現車では朝の車高・警告表示・整備記録簿のエアサス関連の交換歴を確認する

「エアサス付きだから」という理由だけで判断を決めてしまう前に、保証とリコール対応歴、交換費用の目安を確認してみてください。そこまで押さえれば、グレード選びの軸はエアサスの有無だけでなく、予算と使い方に合うかどうかで考えられるようになります。

関連記事:ベンツのエアサス交換費用はいくら?故障の前兆・寿命とW205など型式別の注意点 メルセデスのエアサスは何が違うのか?|予測制御する魔法の絨毯の技術 メルセデスEクラス(W214)とBMW G60、後席設計思想の違い BMW G60 523dに1年乗って分かった本音 ベンツのディーゼル(OM654・OM656)の故障と修理費

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次