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ベンツのディーゼル(OM654・OM656)の故障と修理費|AdBlue警告・EGR・DPFの症状と対処

※本記事にはプロモーションが含まれます

メーターに「AdBlue 〇〇km以内にエンジン始動不可」と出た。ディーラーでNOxセンサーの交換を言われ、見積もりの金額に固まっている。ベンツのディーゼル(C220d、E220d、GLC220d、S400d、GLE400dなど)でこのページに来た方は、たぶんそのどちらかです。

E220dを例にすると、AdBlueの補充だけなら数千円、NOxセンサー1本で約4万〜12万円、AdBlueタンクの交換で約30万円。最悪は、ディーラーでDPFとSCRの触媒を一体で交換する80万円以上です。下の表で、いくら用意すれば足りるかと、走り続けていいかが分かります。国内メーカーで車づくりに関わる、G60 523d xDriveオーナーが書いています。

目次

1. いくら用意すればいい?【AdBlue・NOx・DPFの修理費用・段階表】

W213型EクラスのE220d(OM654=直4・2.0Lのディーゼル)を例に、専門店で直した場合の部品代と工賃を積み上げた金額です(税込)。③と⑥は内訳の出ていない合計額で、③はC220dの整備工場、⑥はディーラーの例です。

段階 作業 部品代 工賃ほか 合計の目安
① AdBlueの補充 10Lで約2,000〜4,000円 自分で入れれば0円 約2,000〜4,000円
② NOxセンサー1本の交換 約2.2万〜10万円(社外品〜純正) 約1.5万円(診断を含む) 約4万〜12万円
③ EGRバルブの交換・カーボン清掃 整備工場の事例(C220d)。内訳は非公開 約5.2万円
④ DPFの脱着・洗浄 洗浄代 約7.7万〜7.9万円 脱着 約7.7万円 約15.5万円
⑤ AdBlueタンクの交換(ポンプ・ヒーター一体、純正) 約27万円 約3万円 約30万円
⑥ DPF・SCR触媒の一体交換(ディーラー) 整備工場の事例。部品代と工賃の内訳は非公開 80万円以上

AdBlueは、排ガス中のNOx(窒素酸化物)を分解するために排気へ吹き込む尿素水です。NOxセンサーは、排ガス中のNOxの量を測って、AdBlueがちゃんと効いているかを見張るセンサーです。E220dには2本付いています。EGRは、排気ガスの一部をエンジンに戻してNOxを減らす装置です。DPFは、排ガスのすす(煤)をこし取るフィルターで、E220dではSCR(AdBlueでNOxを分解する触媒)と1つの部品になっています。

この表で見てほしいのは、①と②以降の差です。残量が減っただけなら数千円で終わり、部品の故障なら万単位になります。同じ「AdBlue」の警告でも、補充して消えるかどうかで話が分かれます。

AdBlueの警告が出て、まず何とかする段階なら、①の補充を先に試してください。補充しても警告が消えない、またはすぐに再表示されるなら、②のNOxセンサーを疑う段階です。診断機で、2本のうちどちらのセンサーの異常かまで分かります。

⑤が高いのは、AdBlueのポンプやヒーターが単品で出ず、タンクごとの交換になるからです。E220dではタンク本体が税別24万9,400円(税込で約27万円)、と整備工場のブログに書かれています。

最悪のケースは、⑥のDPFとSCRを一体の部品ごと新品に替える場合です。ディーラーで触媒の交換を提案され80万円以上になることもある、と千葉県松戸市の整備工場がブログで書いています。DPFの詰まりなら、その前に④の洗浄で済むかを専門店で確かめてください。

表の金額が上下する要素は2つあります。ひとつは部品が純正か社外品か。NOxセンサーは純正だと1本約10万円、社外品なら2万円台からあります。もうひとつは本数で、2本とも替えれば②はほぼ倍になります。6気筒のOM656(S400d、GLE400dなど)は部品が別なので、見積もりで金額を確かめてください。

修理費が車の時価に近づいてきたら、今の車がいくらで売れるかも一緒に見ておくと、直すか乗り換えるかを比べやすくなります。
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2. 警告が出たまま、走り続けて大丈夫?

今すぐ止まるわけではありません。ただし、表示された距離が尽きると、エンジンを一度止めたあと再始動できなくなります。AdBlueを使うディーゼル車は、この仕組みが共通です。

メーターには「AdBlue 800km以内にエンジン始動不可」のように、あと何km走れるかが出ます。走っている最中にゼロになってもその場でエンジンは止まりませんが、次にエンジンを切ったら、補充するか直すまでかかりません。出先で止めてしまうと、レッカーを呼ぶことになります。AdBlueを補充すれば、イグニッションをオンにして1分ほど待つと始動できる、とメルセデスの公式FAQは案内しています。

厄介なのは、AdBlueが残っていても同じカウントダウンが出ることです。NOxセンサーなどの故障でも、システムはAdBlueが効いていないと判断して、同じように始動不可までの距離を数え始めます。補充しても数字が減り続けるなら、故障のほうです。距離が残っているうちに店に持ち込んでください。エンジン警告灯がついて加速が重いときも、高速や遠出は避けて、早めに診断機にかけてもらってください。

NOxセンサーやAdBlueの警告を「消す」「無効にする」プログラムを宣伝する店もあります。排ガスを浄化する装置を働かなくする改造なので、車検や法令の問題が出ます。直すなら、部品の交換です。

3. その警告・症状は、どの段階?

警告の出方から、1章のどの段階にいそうかの見当がつきます。

警告・症状 疑われる原因 まず見る段階
AdBlueの残量警告、始動不可までのカウントダウン(まだ補充していない) AdBlueの残量不足 ①
補充しても警告やカウントダウンが消えない NOxセンサーの不良 ②
「AdBlueシステム故障」など、システムの異常の表示 AdBlueのポンプ・ヒーター・タンクの不良 診断機で切り分けてから⑤
エンジン警告灯がつき、30分〜1時間走ると加速が重くなる EGRバルブの固着、DPFの詰まり 診断機で切り分けてから③④
DPFの再生(すすを燃やす動作)が頻繁に起きる、排気が臭う DPFの詰まり ④(洗浄で直らなければ⑥)

AdBlueまわりの警告は、まず①の補充、消えなければ②のNOxセンサーの順に疑います。⑤のタンク交換は、診断機でポンプやヒーターの異常が出たときです。

EGRは、通り道にカーボンがたまってバルブが固着します。C220d(W205)で、走ると車が重くなる症状からEGRバルブを交換し、カーボンも清掃して約5.2万円(1章の③)、という三重県伊勢市の整備工場の例があります。その車は、先にディーラーでDPFの強制再生(診断機ですすを燃やす作業)をしても直っていませんでした。症状が同じでも、原因がDPFとは限りません。

DPFの詰まりや再生の仕組みは、DPF交換費用はいくら?詰まりの症状と型式別の回避策で詳しく書いています。

4. 詰まりやすい乗り方はある?

あります。短い距離ばかり走る使い方です。エンジンと排気が温まりきらないうちに止めることが続くと、DPFにすすがたまり、EGRにもカーボンが残ります。C220dのEGRの例でも、整備工場は「普段は町中を少し走ることが多い使い方」を原因に挙げています。

筆者のG60(BMWのB47ディーゼル)は、片道10km未満の通勤が中心で、週末に高速を走ります。AdBlueは自分では入れず、ディーラー点検のついでに入れてもらっています。自分がベンツのディーゼルに乗っていても、近所の往復だけで終わる週が続いたら、ときどき高速を走る機会を作ります。エンジンと排気をしっかり温めることが、DPFとEGRの詰まりを防ぐいちばん手軽な方法だからです。

AdBlueは、残量の警告が出てから入れても間に合います。自分で入れる場合は、ISO 22241という規格に合った市販品なら使えます。補充口の場所は車種で違うので、取扱説明書で確かめてください。

5. あなたの車はOM654?OM656?【搭載車一覧】

「220d」「300d」「200d」なら直4・2.0LのOM654系、「400d」「450d」なら直6・3.0LのOM656系です。どちらもAdBlue・EGR・DPFの構成は共通で、警告の出方や故障の起き方は同じです。金額は、1章のE220dの例から車種によって変わります。

車種 型式 エンジン 年式
E220d W/S213・X213 OM654 2016年7月〜2024年1月
CLS220d C257 OM654 2018年6月〜2023年8月
C220d W/S205 OM654 2018年7月〜2021年6月
GLC220d X/C253 OM654 2019年10月〜2023年3月
GLE300d W167 OM654 2019年6月〜2021年12月
C220d W/S206 OM654M 2021年6月〜
GLC220d X/C254 OM654M 2023年3月〜
E220d W/S214・X214 OM654M 2024年1月〜
GLE300d W167(ISG付き) OM654M 2021年12月〜
S400d W/V222・223 OM656 2018年9月〜2023年9月
GLE400d W/C167 OM656 2019年6月〜2023年9月
GLS400d X167 OM656 2020年3月〜2023年12月
G350d W463A OM656 2019年4月〜
G400d W463A OM656 2021年5月〜2024年6月
G450d W463A OM656M 2024年7月〜
GLE450d W/C167 OM656M 2023年9月〜
GLS450d X167 OM656M 2023年12月〜
V220d W447 OM654 2022年2月〜
A200d W177 OM654q 2019年3月〜
B200d W247 OM654q 2019年6月〜
CLA200d C118 OM654q 2019年〜(販売終了)
GLA200d H247 OM654q 2020年6月〜
GLB200d X247 OM654q 2020年6月〜

C220dとE220dは、年式によってOM654と改良版のOM654M(ISGという発電機兼モーター付き)に分かれます。2018年7月の改良より前のC220d(W205)は、ひとつ前の世代のOM651なので、1章の金額は当てはまりません。A・B・CLA・GLA・GLBの「200d」は、横置き用のOM654qを積んでいます。

6. 直す前に、リコールと保証を見る

OM654・OM656を積む車には、クーラントポンプの不具合でリコールが出ています。このリコールの不具合でも、エンジン警告灯や出力低下、EGRの不調が出ます。警告の原因がこちらなら無償で直るので、見積もりの前に確かめてください。

クーラントポンプのリコール(2022年に6回届出)
クーラントポンプの軸受けシールの設計が不適切で、冷却水が負圧回路に入り込み、関連部品が作動不良を起こすことがある、というリコールです。エンジン警告灯の点灯や出力低下、ブレーキの効きを助ける装置の機能低下のほか、EGR制御用の電磁バルブが作動不良を起こすと排ガスが悪化し、最悪の場合は火災に至るおそれがあるとされています。対策として、EGR制御用の電磁バルブの交換、エンジン制御プログラムの書き換え、負圧回路の点検と部品交換が無償で行われます。
メルセデス・ベンツ公式のリコール情報で、車台番号から対象かを調べられます。

届出番号 届出日 追加された主な車種 台数
外-3347 2022年2月16日 C220d、C220dステーションワゴン、GLC220d 4MATIC(クーペ含む)、GLE300d 4MATIC、GLE400d 4MATIC(クーペ含む)、S400d 4MATIC、GLS400d 4MATIC 10,339台
外-3366 2022年3月31日 GLC220d 4MATIC(クーペ含む)、GLE400d 4MATIC(クーペ含む)、GLS400d 4MATIC、G350d、G400d 10,906台
外-3397 2022年4月27日 E220dステーションワゴン、CLS220d 4,331台
外-3412 2022年5月25日 E220d、E220dステーションワゴン、E220d 4MATICステーションワゴン、S400d、S400d 4MATIC 2,425台
外-3439 2022年6月30日 E220d、E220dステーションワゴン、E220d 4MATICステーションワゴン、CLS220d、GLE400d 4MATIC(クーペ含む)、S400d 4MATIC、GLS400d 4MATIC、G350d、G400d 4,067台
外-3469 2022年9月14日 C220d、C220dステーションワゴン、CLS220d、E220d、E220dステーションワゴン、E220d 4MATICステーションワゴン、E350de、GLE400d 4MATICクーペ 8,229台

6回の届出は、それぞれ新しく対象になった車を追加したもので、合計すると40,297台です。輸入期間は2018年1月〜2022年6月と幅広く、中古で出回っている車も多く含まれます。中古で買った車でも、車台番号が対象なら無償で直せます。

保証は、新車登録から3年間、走行距離に制限なく「メルセデス・ケア」が付きます。有償の「保証プラス」に入っていれば、さらに2年延びます。この期間内なら、AdBlueやNOxセンサーの故障も、まずディーラーで保証の対象になるか確かめてください。

7. 修理か、乗り換えか

見積もりが出たら、3つを並べて考えます。見積もり額が車の時価(今売ったらいくらになるか)のどのくらいか。今の車がいくらで売れるか。そして、この先2〜3年で排ガス装置以外に大きな出費(ミッションや足回りなど)が控えていないか。

状況 判断の目安
修理費が時価の3割まで 直して乗り続けるのが現実的
修理費が時価の3〜5割 専門店の見積もりも取り、部品が純正か社外品かで比べてから決める
修理費が時価の5割を超える 乗り換えも並べて比べる

例えば、時価200万円のE220dで、ディーラーから純正のNOxセンサー2本の交換で24万円の見積もりが出たとします。時価の1割強なので、直して乗るのが普通の判断です。ただ、その前に「本当に2本とも壊れているか」を聞いてください。診断で異常が出ているのが1本だけなら、②の1本分、社外品なら4万円前後で済みます。

ディーラー・専門店でそのまま聞ける質問

  • エラーコードは何が出ていますか? NOxセンサーなら、2本のうちどちらですか?
  • AdBlueを補充しても消えない警告ですか? 補充で直る可能性は確かめましたか?
  • 部品は純正ですか? 社外品にするといくら変わりますか?
  • AdBlueタンクの交換と言われたが、ポンプやヒーターだけの修理はできませんか?
  • DPF交換と言われたが、脱着して洗浄する方法では直りませんか?
  • クーラントポンプのリコールは実施済みですか? 修理の保証は何か月ですか?

専門店は、メルセデス用の診断機を持っていて、ディーゼルの排ガス装置の作業事例を公開している店を選ぶと外れにくいです。

AdBlueタンクやDPFの交換の見積もりが出たら、査定額も手元に置いてから決めると遠回りになりません。査定は無料で、そのまま売る必要はありません。

よくある質問

AdBlueはどこで買えますか?

カー用品店、ガソリンスタンド、通販で買えます。10Lで2,000円台から4,000円前後です。ディーラーで点検のついでに入れてもらうこともできます。

中古で買うとき、何を見ればいいですか?

整備記録簿で、NOxセンサーやAdBlue、DPFの修理歴があるかを見ます。クーラントポンプのリコールが実施済みかも確かめてください。前のオーナーが近距離ばかり走っていた車は、DPFとEGRが傷みやすいので、使われ方も販売店に聞いておきます。

NOxセンサーは社外品で直りますか?

直ります。2万円台の社外品も出ていて、専門店で取り付けてもらえます。ただ、排ガスの浄化に関わる部品なので、品番が自分の車に合っているかを店で確かめてから買ってください。

まとめ

  • AdBlueの警告が出たら、まず①の補充(数千円)を試す
  • 補充しても始動不可のカウントダウンが減り続けるなら、距離が残っているうちに店へ持ち込む
  • NOxセンサー交換の見積もりは、2本のうちどちらが壊れているかを確かめる
  • 修理の前に、クーラントポンプのリコール(外-3347ほか)の対象かを車台番号で調べる
  • AdBlueタンク(約30万円)やDPF・SCRの交換(ディーラーで80万円以上)の見積もりが出たら、まず洗浄で済むかを確かめ、査定額も取ってから決める

関連記事:DPF交換費用はいくら?詰まりの症状と型式別の回避策 BMWディーゼル(B47・B57)の故障と修理費|EGRリコール・DPF・AdBlueの症状と対処 BMW B47 vs ベンツ OM654 vs アウディ 40TDI B57 vs OM656|直6ディーゼル比較 ベンツの9速AT(9G-TRONIC)の故障と修理費

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